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2017年7月31日月曜日

何をやるにもお金がかかる

マイホームを建てるという作業。

現代社会は、ほぼ100%が他人任せです。

あれもやりたい!これもやりたい!
それら希望は、すべて対価として跳ね返ってきます。
ちょっとした棚を造るにも、造作費用が発生します。

施主「ここにちょっとした棚を造りたい!」
請負者「それは、3万円です。」

施主「洗面化粧台を造作にしたい。」
請負者「それは、差額で10万円要します。」

施主「壁にタイルを張りたい。」
請負者「㎡15000円かかります。」

このやり取りが、個人的に好きではありません。

施主は、お金を払って、すべてを請負者(施工者)にゆだねる。
施工者は、お金を払って、下請けの職人にゆだねる。
施工者によっては、下請業者~孫請け~孫々請けまでくだっていく。

職人はその報酬に見合った仕事をする。
少ない報酬で良い仕事を求めるのは、酷な世界です。

よって、かける金額によって、出来栄えは大きく変わります。
使う材料も、使う時間も違う。
仕上げの塗料まで、異なる。

とにかく利益を追求する請負者は材料も時間も削る。
施主は真逆で、少ない対価で良いものを求める。
最初から、大きなへだたりが存在する訳です。

ゆえに、仕上がった段階で・・・
施主と請負者で揉めることがとても多い。

施主「自分がお願いしたイメージと違う」
請者「頂いたお金だとこの程度です」
施主「プロとして信じられない」
請者「じゃあ、もっとお金を払ってください」

そんなもめ事を、他で散々見てきました。

これを・・・
もう少し、自由度高く出来やしないか?

何をやるにも「金」「金」「金」という現代社会。
その最たる、家を造る仕事。

棚を造りたいという施主に「じゃあ、10万円ください」と言うのではなく
「じゃあ、自分で作ってみません?」と言えないだろうか?

セルフビルド的な、もう少し施主が参加するような仕組み。

イケアでバラバラの家具を買って組み立てられるのであれば
加工した板を壁に取り付けるなんて、よっぽど簡単なはず。

お金だけをかけて造り込むという今の家の価値観を捨てて
自分の手間暇かけて、家を造る。

「未完成の家」

それをそのまま施主に引き渡し・・・
そこから、施主は自分の手で「好きなように」仕上げる。
なんてことは、難しいのかな?

建売住宅で「未完成の家」なんて商品を造ってみようかしら?

何を未完成にするか?
左官?ペンキ?間仕切り?家具?建具?

伊藤誠康先生が横須賀で手掛けた「エアコンのない家」なんて、素敵だな~。

冷暖房が無い家。
施主は住んだ後、自分で創意工夫して住む訳です。

完璧に仕上げた家を売って・・・
居住後・・・

「壁紙がはがれた」
「床鳴りがする」
「戸がゆがんだ」

等々、様々な細かいご連絡を頂きます。
いわゆるアフターサービスというものです。

完成品を買った後のお客様は
その後、家に起こることも100%他人任せなんです。

自分の家は自分で面倒見るなんて無理なのかな?
自分でアフターメンテナンスする。
そして、自分の加齢にあわせ、自分で家のカタチを変えていく。

そんな方向に意識を変えないと・・・
いつまでたっても「金」「金」「金」の住宅市場は変わらず
金がなければ、棚ひとつ作れない。
金がなければ、ひん曲がった雨どい一つ直せない。

なんだか、オカシイ気がするのです。

アフターサービスを一切省いた家なんて、素敵。
その対価として、とても安く造ることが可能です。
基本構造部分以外、すべてセルフメンテナンス。

おもしろいな~。

やってみようかな~。
建売住宅で。

でも、それを実現するには・・・
施主が自分の買う家をもっと理解しないとダメで・・・

それを一般の方に求めるのは、難しいのでしょうか?

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