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2017年6月29日木曜日

瀬戸賢一

東京新聞の6月18日の朝刊に
『時は金なりの横行』という記事がありました。
以下は、語学学者の瀬戸賢一さんのお話です。
(部分的にかいつまんでます)

時間とは何か?
川の流れを時間のメタファー(暗喩)として受け入れましょう。
『時間が流れる』という表現がその典型です。

流れなら、その方向はどうでしょう?
普通「時は過去から未来へ流れる」と考えませんか?
しかし、その言葉の根拠は、逆さを示します。

『時間は、未来から過去に進む』

受け入れがたいですね。
しかし・・・

「もうすぐ夏休みがやってくる」と言うでしょう?

出来事は未来からやってきて・・・
過去に向かう。
「未来はいまだ来ない」
「過去は過ぎ去る」
と書く。

つまり・・・
時間の動きは過去が前で
未来が後ろ。

だから・・・
過去を「以前に起きた事」といい
未来を「以後に起きる事」という。
過去を「十年前」と言い
未来を「十年後」という。

混乱しますね。
当然です。
だって、将来を見据えて歩む者にとって
未来が前方で、過去が後方のはず。

過去は時々「後ろ」を振り返って見るものですもの。

ここは落ち着いて考えましょう。

時間は、未来から過去へ流れている。
その中を人は・・・
過去から未来に向かうと思考しているだけなのです。

空港などで、動く歩道を逆向きに歩く姿を思い浮かべて下さい。
日本語も英語もその他多くの言語も
この「動く歩道」の図に従っています。

さてもう一つの大事なメタファー(暗喩)があります。
『タイム・イズ・マネー』

時は金なりです。
現代社会を考えるには、最とも重要です。

時間とは何か?
人は、金のことばで時間を語るのです。
例えば・・・

「時間を使う」
「時間を浪費する」
「時間を買う」
「時間給」

それどころか「時間泥棒」なんて言葉まである。
ブラック企業・派遣労働etc
過労死などは、時を奪われた人の成れの果てかもしれません。

もう世界は、見えない天井に突き当たっています。
日本はすでに先進国のトップを切って
人口減少期に入りました。

いま成人式を終えたばかりの若者が定年を迎える時
日本人の人口は三分の二になると統計がでました。

経済は何本矢を放っても上向きません。
見えない透明な天井があるから、矢は跳ね返ってくるのです。

なにか、良い方法は無いか?

困難ですが、一つ、あります。

心の在り方を変えるのです。

『時は金なり』という呪縛を解くのです。

まったく新しい時間のメタファー。

時間は金ではない。

「時間は命」である。
時間は、生まれ出づるもの。

私たちを生かし続ける貴重な命なのです。

忙しく、世知辛い、がんじがらめの世界。
大切な「時間」そのものを考え直すことでしか・・・
抜け出す事が出来ない。

そのメタファーに命を吹き込むのは、貴方です。

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