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2014年8月12日火曜日

腹を割る

最近、気が付いたこと。

人って・・・
腹を割って話すと・・・
必ず、内面の子供の部分が顔を出す。

特に40歳すぎてから、心底そう思います。

腹を割るって、今、使わない言葉ですかね??
胸襟を開くでしょうか。。
こっちの方が、使わないか。(^^;)

「大人って何か?」

私がそう聞かれたら・・・

「面子」「体裁」「建前」

この3文字が頭の中に浮かんできます。

つまり、対外的に己を繕って気を張っている姿。
それが大人だと、個人的に思うのです。

歌舞伎に「見得を切る」というのがありますが・・・
感覚として、あれと同じですね。
「虚勢を張る」とか「自分を取り繕う」とか。
多分、私の今の年代がその全盛期かな?

同年代の人と話をしても、腹を割りません。
濡れ手に粟みたい。
面と向かっても真意が全然わからない。

酒を飲んでも大人しいので、とっつき難い。(^^;)
そんな人がとても多いように感じます。

しかし、年を重ねるごとに自分を繕う殻は、増えますね。
相手が多いほど、幾重にもなり、分厚くなる。
そんな歳の取り方をしたオッチャンを、偏屈親爺というのでしょうか?

でも、そんな人ほど・・・
じっくりと話しをお伺いすると、本心を打ち明けるのが早い。
気を許してくれれば、気さくになんでも話してくれる。

そして、皆さん、昔話が好き。
子供の頃を回想して、自分で話ながら顔はもう童心に戻ってます。

実際、定年されていますから、仕事から解放されているので、見栄を張る必要性ってあまり無いのですよね。
でも、習慣というか習性というか、70歳になっても80歳になっても片意地を張り続けている人が多いように思います。

なんだか、若造が生意気ですね。(^^;)
オチが無いので、この辺で辞めておきます。

でも・・・
こう話していても、日本語って面白いと思います。

「面子」も「建前」も、普通に使っていますが、なぜこの漢字なのか?
「胸襟を開く」「取り繕う」なんて表現、他国には無いでしょうね。
性質や態度が穏やかで従順なさまを「大人しい」というのも、なんとも面白い。

そうそう・・・
「建前」という言葉、これ、建築用語なんですよ。(^^)
土地に対して、初めて建物の躯体を組み上げる日を建前と表現します。

語源は、「本音と建前」という昔話がありまして・・・

むか~し、昔。
ある所に凄腕と名を轟かせた棟梁がいました。
土地の名士の建物を請負い、棟上げの前の晩。
自分で測って、削り出して刻んだ材木を並べていると、その中の柱のうち、玄関の柱の寸法が何度図っても足りない。。
短くて、どうしても梁に届かない。

切腹が美とされた時代です。
誇り高き棟梁は、間違いを恥じて自決しようとした。

それを見た奥さん。
「貴方が死ぬのなら私も死ぬ。」と諌め・・・
混乱する棟梁にお酒を飲ませて寝かしつけた。

そして、奥さん、一晩寝ないで考えた。
朝、奥さんは棟梁に三つのマスを黙って差し出すと・・・
そのマスを柱と梁の隙間に補う提案した。
枡は一升マス、五合マス、一合マスの3つ。

棟梁はその升を使って、見事に柱を納めた。

これが神社仏閣に見受ける「枡組」技法の起源なのですって。



ところが棟梁、事なきを得た後・・・
世間体を気にし出します。

「この恥が外に出るたら、自分の名声にキズが付く。」
そう恐れた棟梁は、口封じの為になんと妻を殺してしまったとさ。
(おしまい)

世間体の為であれば、愛する妻をも殺す。
この出来事が、今の「建前」という語源になっているそうです。

ちなみに・・・
古式の上棟式(建前)では、女の七つ道具とされた、「口紅」「おしろい」「くし」「かんざし」「鏡」「かつら」「こうがい」を小屋裏の梁に飾ります。

当時、棟梁を守った女房への、供養なのだそうです。

日本語って、深いですね。


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