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2014年4月11日金曜日

ケンコート Y-200

玉縄の注文住宅・・・
内装の壁の仕上げに入りました。


元々予定していたのは、クロス仕上げです。
しかし、まさかの歴史的な大雪が2回。
それで、建築業界は大混乱となりました。

4月に予定していた本工事が・・・
予定していた職人さんから、断りの電話。
「3月予定の仕事が4月に全部ずれ込んで、4月中に新規工事を請けることが出来なくなった。」というのです。

そこで、大工さんのツテでクロス職人さんを紹介してもらいましたが、同じ理由でNG。
元々、消費税の駆け込み需要で、2月~3月はひっちゃかめっちゃかという話はあったんです。でも、4月になったら暇になるというのが通説でした。

それが、雪のせいで・・・
流通がマヒし、工場が押しつぶされキッチンや洗面台が入らない。他の資材も遅れてしまい、仕上げをするペンキ屋・板金屋・左官屋・外構屋・リペア屋・ハウスクリーニング屋等々、大混乱中です。

そんな中、思い出したのが飛鳥工業さん。

以前、建築家の伊藤先生に「腕が良くて面白い左官屋さんが藤沢市にいる。」という話を聞いており、その話が私の頭に強く残っていたんです。

で、恐る恐る電話をしたんですね。
そうしたら・・・
「今の仕事が3月末で終わって、次の仕事が5月初旬から。」

なんと、偶然にも4月だけ空いている!
ビックリ。
こりゃ、「縁」があるとしか思えません。(^^;)

ということで、その電話ですぐに依頼。
で、見積もりをして頂き、今に至ってます。

簡単に言っているようですが・・・
左官にすることで、大工の井関さんには大変ご迷惑をかけることに・・・。
付け巾木ではNGとなります。
埋め込み巾木に変えなければならず、井関さんに形状を指定してもらい山六木材さんにボード抑え兼用の巾木をピーラー材にて特注。
巾木下地が入っていなかったので、急きょ施工。
ウレタン吹付断熱なので、下地を入れる隙間がありません。
なので、ウレタンを下地材の45mmを、カッターで切り取ってもらいながら木材を固定していくという、何とも気の長い作業を行ってもらいました。

普通であれば、私と大ゲンカでしょうね。(汗)

快く?請けて下さった井関親方には、感謝です。

また、左官にすることで差額が約100万円発生します。
そこは、施主さんと話し合い、ご負担いただくことで合意できました。

飛鳥工業さんと打ち合わせをし・・・
(というか、ほとんど言いなりです。)
珪藻土系の仕上げ材「ケンコート」を使う事としました。
http://yoshino-gypsum.com/product/kabe_nuri/kabe_nuri01a.html


超が付くベテラン職人の早川社長。
40年を超えるキャリアです。
様々な漆喰や土を触った経験の中で「これが一番おすすめ」という逸品が、ケンコートなんですって。

石膏ボードのメーカー「吉野石膏」が、石膏ボード下地の為に開発したというひび割れに強い自然系の塗り壁材です。
漆喰と比べキズに強く、補修も簡単で・・・

「子供がいる家には、これが一番良いよ!!」

と、仰る。
こういうのは、経験を重ねたベテラン職人にお任せするのが一番。
ということで、色・仕上げ方法・テクスチャーもすべてお任せすることとしました。

早川社長が選んだのは、Y-200。
カタログで見ると、真黄色です。

でも、「白くなるから、安心して大丈夫!」

まず、石膏ボードの継ぎ目にテープを貼って、ファイバーメッシュを貼り、その上から下塗。

吉野石膏の下塗り材は・・・

「すぐ乾いて、一番扱いやすい」とのこと。
http://yoshino-gypsum.com/product/kabe_nuri/kabe_nuri02.html


1日置いて、仕上げに入ります。




薄く中塗りをした後・・・
上塗り。



少し粗めのテクスチャーで仕上げていきます。

一定のコテムラではありません。
なんともランダムなテクスチャーです。
一見、雑な仕上がりに見えますが・・・

一つ一つ同じ模様が無く、とっても面白い。
それでいて派手でない。

「乾いたら、近くで見ないとコテの跡は見えないから。」
と、早川社長(↑写真の下の人です。)

「こういうコテムラを付けて仕上げると、あとが楽だよ」
「子供が傷つけても、全く解らないぐらいに補修できるから。」


ふ~ん、『経験がものを言う』とは、まさにこのことですね。

塗った直後は、「ド」が付くほど黄色です。

「これが本当に白くなるのかしら??」
見てて、ちょっと不安がっている私をみて・・・
「大丈夫、いい感じになるから!」
と、何食わぬ顔の早川社長。(笑)

「この間、大工さんの自宅兼モデルハウスを塗ったんだけど、見に来た人の反応が抜群で、大工さんからわざわざ俺に連絡が来たぐらいだから。」

「そうですかぁ~」と言いながら、不安が消えない私。


それにしても、左官の仕事は大変です。
相手は、粉と水。
練って泥にして、コテに乗せて塗る。
粉まみれになり、泥まみれになる。
天井に向いて、首を上に折りながら、泥を顔に受けながら・・・
右手にコテ、左手に重い鏝台です。何日も塗り続ける。



塗り終わった壁を触らないように・・・
建具や家具を傷つけないように・・・
床を汚さないように・・・
テクスチャーを崩さないように・・・
細心の気を使いながら、注意を払って丸1日、こりゃ疲れるよ。

まるで洞窟の中で木彫りをする宮本武蔵を彷彿とさせます。
(言い過ぎかしら??)

早川さん曰く
「どこの建築業者も、職人を泣かせすぎるから、良い職人が育たない。そんな簡単な作業じゃないよ。でも、どこも費用を削りすぎる。それじゃあ、若い人も育たないし、良いものも出来ないよ。」

おっしゃるとおりです。

ちなみに・・・
半日経つ頃には・・・
だんだんと、白くなってきましたよ~。

仕上がったら、写真でご紹介します。

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